流動

flow


先日、愛知県美術館で開催されている写真展、
「これからの写真」を観に行ってきました。
出展されている作家は
新井卓さん、加納俊輔さん、川内倫子さん、
木村友紀さん、鈴木崇さん、鷹野隆大さん、
田代一倫さん、田村友一郎さん、畠山直哉さん
です。
恥ずかしながら元々自分が知っている作家さんは
3人しかいなかったのですが、
とても見応えがある展示でした。


一口に写真といっても、
表現におけるその使われ方は非常に多岐にわたっていました。
川内倫子さんや田代一倫さんの作品は
他の作家と比べるとある意味王道ともいえる写真の使い方をしていました。
川内倫子さんの作品は通常のプリントと映像作品の2種類があったのですが、
両方とも以前東京都写真美術館で展示されていたものと同じだったと思います。
やはり自分は川内倫子さんの写真が好きです。
その詩的な写真は、日々の中に潜む一瞬の煌めきを掬っているかのようです。


一方、加納俊輔さんの作品は、
写真作品というよりは現代アートに近いものでした。
大理石にシールやマスキングテープが張られているものを撮影し、
その写真を実際の大理石に貼ることで
変な違和感のあるだまし絵のような作品が展示されていました。
その横で普通に家を撮影した写真が並べて展示されているのですが、
見ているとその写真もどこか違和感があるように感じてしまうのです。
写真というものの不確実さ、視覚の不確実さを感覚的に認識できるような展示でした。


ところで、今回の写真展では本来の文脈からは離れたところで
世間の話題になったトピックがあります。
鷹野隆大さんの作品の一部が、愛知県警よりわいせつ物にあたるとして
対応を求められ、結果薄い布で覆われる事態となったのです。
匿名の通報があり、愛知県警が動くこととなってしまった今回の事件。
それに対し撤回を求める署名が8,000件を超えて集まっています。
わいせつ物にあたるとされる写真は性器がそのまま写っているものだったのですが、
個人的な思いとしては写真自体の目的がわいせつ物の流布だとは到底思えないし、
展示自体も注意書きに加えて空間ごと仕切られているという配慮されたものだったので、
何の問題もないと思うのですが…。


何はともあれ、写真表現をめぐる変容や今後の写真表現の未来を探るうえで
とても良い展示だったと思います。
まだ行けていない方は是非行くことをおすすめします!

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